更新 2020-03-11
2019-10-17
こんにちは!
ELmoumeです。
仕事上、建築業界に携わり、1級建築士、宅建士の観点から、土地購入をされた方を見てきました。
価格、便利のいいロケーションなどは、注目しますが、意外にその地域で災害(台風、地震による津波、大雨)があった時に、住宅が浸水したり、水がつかることがないのかなと思うことがよくありました。
そう感じている最中にも、大型の台風が日本に上陸したり、忘れてはならない東日本大震災などの自然災害で甚大な被害が生じています。
地震による津波や河川の決壊を引き起こすほどの大雨が、大量に降り、土地の低い海辺や川沿いの水系付近で生活されていた方は、常に被災と向き合わなければなりません。
土地探し及び購入を検討されている、あなたに伝えたい。
検討されている場所が川沿い、海の近くであれば、もう一度考えて欲しい。
本当にその場所で良いのか?
災害時に身を守れるのか?
あなたが知りたい情報で土地探しの際、川沿い、海の近くは、リスクがあること知って欲しいです。
こちらも併せてどうぞ ↓
土地探し、家を購入するために土地購入を検討されている方
川沿い、海の近くなどに土地購入を検討されている方
なぜ、身を守るための土地探しをしないのか?
土地の価格、ロケーションに注目されがち
どうしても金額や、駅、スーパー等の商業施設、病院、学校が近くにあるかなど生活するうえで短いスパンの必要な部分しか、見えてないことが多いです。
その土地に住んでから、すぐに生活に直結するので選ぶのに重要な条件だと思いますが、ほとんどの人が一生に一度の買い物になります。
先日のような多摩川の決壊が生じて、付近の地域がいつ、冠水するかわからないのです。
土地購入前にその周辺を観察する時間を取れない
高価な替えの効かない買い物のはずなのに、事前にその土地の周辺や防災における観点で見ている人が少ないと考えます。
防災における観点とは、避難所や避難経路、氾濫時に注意したい河川、湖沼など水系が近くにあるかになります。
今回の台風で被害のあったエリアは、河川の決壊により生じたことが明らかです。
日々、多忙で見に行く時間がないと思われている方は、考え直して、時間をつくり、周辺を確認することを是非お勧めします。
海辺・川沿いの近くで洪水・浸水リスクが高い理由とそれを避ける対策
海辺・川沿いの近くの住まいで災害に遭いやすいのは、水辺が付近にあることの他に次の理由があります。
周辺より比較的、高低差が低いエリアは水が流れて来やすい
各行政の洪水ハザートマップを見ると一目瞭然です。
http://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/0000018/18174/04tthm-2.pdf
※川崎市高津区の洪水浸水想定区域(多摩川水系)より
このハザードマップは、過去に自然災害が起きたことをや昔の土地状況(その昔、水田、畑、宅地など)を踏まえた地図になります。
先日、多摩川の河川敷が決壊し、真っ先に冠水したエリアは、川沿いのマップでいうところの赤い部分でもともと家屋倒壊等氾濫想定区域に指定されている場所でした。
また、川の氾濫により、タワーマンションのエリアで中層から高層に居住される方々には直接的な被害はありませんでしたが、敷地の脇のポンプ設備(水を高層階へあげるため)が冠水して故障する事態がありました。
お水の備蓄があれば良いのですが、命をつなぐ水が出ないとなると生活困難になりますので、土地の低いエリアに住まうということは、間接的なリスクにもケアする必要があります。
現代の土木の技術で治水のための護岸工事がされていたはずですが、想定を超える状況が発生するとこのようなエリアに被害が集中してしまいます。
もともと水が引きにくいエリア
決壊した川の水が高いところから低いところに流れていくのは、自然の摂理です。
そのようなエリアでは、昔から水が引きにくい特性を生かして水田などに利用されてきました。
こちらも各行政の洪水ハザートマップを見るとわかります。
http://www.city.kawasaki.jp/530/cmsfiles/contents/0000018/18174/04tthm-2.pdf
※川崎市高津区の浸水継続時間(多摩川水系)より
これもみても、川沿いのエリアが浸水継続時間※が12~24時間未満のエリアに入っていることが解ります。
※浸水継続期間とは、洪水により浸水深が0.5m以上となってから最終的に0.5m未満になるまでの時間を言います。(川崎市高津区の浸水継続時間(多摩川水系)より)
昔からの土地観があれば、それを加味した土地の購入や建築計画がしやすくなりますが、昔の風景から見る影もない風景に変わっている場合は、この資料や過去の土地利用の移り変わりを探る必要があります。
購入検討中の土地が海辺、川沿い付近でどうしても選択しないといけない場合、周辺の建物の地盤面より高さをあげるなどの対策を講じる必要があります。
対策例(戸建て住宅の場合)
建物が建つ地面(地盤面)の高さを上げる
道路面や地面のからの高さを周辺より高くしておけば、周辺住宅と比較して浸水する可能性が低くなります。
浸水が繰り返されるエリアによっては、地面の高さを市役所から指定される場合もありますので周辺より高くしておくことが、対策の1つとなります。
基礎の高さを上げる
地面(地盤面)から基礎の高さを上げると1階の床面が上がるので床上浸水のリスクが少なくなります。
また、床下空間高さが確保できるので、普段利用しないものを収納できる、床下空間の有効活用も可能になります。
ただし、この2つは、極端に上げすぎると玄関部分へ行くまでに階段やスロープが必要となってきます。
階段は、歳を重ねた時に昇り降りが負担となりますし、地面や基礎の高さを上げることはコストに跳ね返ってきますので、費用対効果を考えたうえで選択することが必要です。
まとめ
購入検討中の土地をどうしても選択しないといけない場合は、ハザードマップを確認の上、周辺の建物の地盤面より高さをあげる対策を講じる必要がある
最近は、想定外の災害が発生するため、自己責任で身を守るしかないです。
であれば、被災する可能性が少ないところを選ぶことが、命を守る事になりますので、これを踏まえて素敵な場所を見つけられることを望みます。
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